あらすじ
前世で香水の研究員だった記憶を持つ見習い調香師のリリアーナ。
彼女の持つ特別な能力は、眠ると「運命の相手の香り」を夢で予知できること。
ある日、王命によってクロフォード公爵エリオットの元へ派遣される。
彼はあらゆる香りを拒絶する特異体質で、常に無表情な「鉄仮面公爵」として恐れられていた。
しかも、彼自身からは何の匂いもしない「無臭」だった。
リリアーナの作る自然な香りだけがエリオットの痛みを和らげることが判明し、二人は体質改善のための「偽りの契約婚約」を結ぶことに。
一緒に過ごすうち、冷徹だと思っていたエリオットの不器用な優しさに触れ、リリアーナは少しずつ心を開いていく。
そして、彼女の調合した「解毒の香り」が、公爵の体に隠された恐ろしい呪いと陰謀を解き明かし――!?
匂いを感じない公爵が、やがて愛しい人の香りに目覚め、極上の溺愛を見せる。
香りに導かれた二人が紡ぐ、甘く切ない異世界ラブファンタジー!
【登場人物紹介】
◆リリアーナ・ベルク(愛称:リリィ)
本作の主人公。王都の見習い調香師。前世では日本の香水会社で研究員をしていた記憶を持っている。その知識と、眠ると運命の相手の香りを予知できる「香りの祝福」という能力を活かし、人々のための香り作りに情熱を燃やしている。明るく前向きな性格で、誰にでも裏表なく接する。
◆エリオット・クロフォード公爵
「鉄仮面」や「無臭の公爵」と噂される、クロフォード公爵家の若き当主。呪いか病か、あらゆる香りを拒絶する特異な体質を持っている。そのため感情を表に出すのが極端に苦手で、常に冷静沈着。しかし内面は優しく、一度懐に入れた者はとことん大切にする。リリィと出会い、少しずつ心を開いていく。
◆バルタザール・クロフォード卿
エリオットの叔父。弟である先代公爵の死後、エリオットの後見人を務めていた。温厚な紳士を装っているが、その裏には深い野心を隠している。