あらすじ

朝は、目玉焼きの黄身から始まるはずだった。 検問で止められる人生なんて、想定していない。 それでも、私は何かを選ばなければならなかった。 三十六歳、シングルマザー。 弁当を作り、体育の有無を確認し、集団登校の列に並ぶ。 どこにでもある生活。 恋人から届いた、短いメッセージを境に、日常は少しずつ軋み始める。 仕事が止まり、口座が止まり、噂が走る。 誰も直接は責めない。けれど、世界がわずかに傾いていく。 やがて、小さな出来事が重なり、ある夜、取り返しのつかない局面が訪れる。 守るために。 間に合わせるために。 私は一つの選択をする。 それが正しかったのかは分からない。 ただ、その瞬間から、世界の見え方が変わった。 これは、静かに削られていく日常と、 最後に残ったものを掴み取るための、ひとつの決断の物語。 目玉焼きの黄身が割れる朝も、 検問で止められる夜も、 どちらも同じ一日の中にある。

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カクヨム
カクヨム2026/02/27
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