あらすじ
「おめでとう勇者よ。次はお前が、この檻の番人だ」
先代魔王の呪いを受け、角が生えたその日から、勇者レオンの心は死んだ。
魔王として隠棲する彼の前に現れたのは、口減らしで捨てられた一人の少女。
魔王が作る不格好なスープ。
少女がつけた魔族たちの可笑しな名前。
城に満ちたのは、かつて勇者が守りたかったはずの、穏やかな「生活」の音だった。
しかし、人間たちが掲げた「聖女救出」という名の大義が、その平穏を無慈悲に引き裂く。
怒りと悲しみの果てに、魔王が下した決断とは――。
――二度目の春に、彼はようやく「人間」に戻る。