あらすじ
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二十歳の誕生日に、神へ命を返す――それが、巫女・桜に課せられた運命だった。
一二五人の巫女のひとりとして、彼女は「花嫁巫女」と呼ばれ、式年の儀に身を捧げる定めにある。恋も未来も持たず、静かに役目を終えるはずだった。
けれど、ある日社を訪れた青年・秋仁と出会い、桜の中で何かが変わる。
「人は幸せになっていい。あなたが生きる理由は、幸せになることだ」
そう言われたとき、はじめて桜は“生きたい”と願ってしまった。
だが、生きたいと願うことは、神への背きなのか。
伝統か、命か。使命か、恋か。
やがて満月の夜、神域に揺れるのは巫女の覚悟と、皇子の決意。そして、忘れられた祟り神の声――。
これは、死ぬために育てられた少女が、「生きる」と選び直す物語。
幸せになることを、誰にも奪わせないために。