あらすじ
絶望的な魔王軍との戦いの最中、円卓最強の『太陽の騎士』ガウェインが死んだ。
たまたまその場に居合わせただけの泥まみれの村人・アッシュは、死にゆく英雄から呪われた黒鉄の右腕『ガラティーン』と、人類の希望を託されてしまう。
英雄の死を隠蔽するため、胃痛持ちの完璧主義な従騎士・エレンと共に「本物のガウェイン」を演じることになったアッシュ。
しかし、彼を待っていたのは、少しでもボロを出せば即処刑の「白亜の王都」と、理不尽なまでに美しく強大な円卓のバケモノ(騎士)たちだった。
「魔法が使えない? なら、この熱(ボイラー)で全部焼き切ってやるよ!」
優雅な剣技も、神聖な魔力も持たないただの村人は、右腕の極悪な排熱機構から超高温の火の粉と黄金の蒸気を撒き散らし、骨を軋ませながら最前線を泥臭く生き抜いていく。
知将の罠を物理で粉砕し、最強の剣士に牙を剥き、狂犬と共に死地を笑って踏み荒らす。
これは、重油と鉄錆の匂いを纏った一人の嘘つきが、本物の英雄へと成り上がるまでの、極めて野蛮で熱い反逆の物語。