あらすじ

文学部への進学を機に上京した瀬川陽菜は、東京郊外の築古アパート「マルヤマ荘」で一人暮らしを始める。小説を書くことを愛しながら、「伝わらないかもしれない」という恐怖から一文字も書けずにいる陽菜。その根には、認知症が進行する祖母・文子への届かぬ思い、「言葉では食べていけない」という父・克己の言葉への罪悪感、そして書き続けられない自分への不信感が絡まっている。隣室に住む音楽大学生・東條蒼との交流、文芸サークルでの「読まれる体験」、そして古書の書き込みが生んだ奇妙な縁を通じて、陽菜は「届かないかもしれないからこそ今書く」という積極的な選択へと変容していく。書けない自分と向き合い続けた末に完成した原稿を、陽菜は祖母のもとへと届けに行く。

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カクヨム
カクヨム2026/02/27
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