あらすじ

母は国民的歌姫。 父は伝説のロックボーカル。 ――そして俺は、そのどちらからも逃げた息子だ。 十二歳の冬、母は消えた。 「お母さんを恨みなさい」 そう書き残して。 けれど最後の一文だけは消されずに残っていた。 『あなたは必ず、私と同じ場所に来る』 母譲りの“国を震わせる声”を持つ尾崎律は、 二度と歌わないと誓った。 音楽は呪いだ。 舞台は支配だ。 歌えば、母に近づいてしまう。 だから隠して生きてきた。 なのに―― 人前では決して歌わないくせに、 誰もいない場所では全力で楽しそうに歌う陰キャ女子が、俺の声を聴いてしまう。 「ねえ、隠すのやめなよ」 まっすぐすぎるその一言が、止まっていた時間を動かす。 歌は支配じゃない。 歌は呼吸だと、彼女は言う。 これは、呪われた血統から逃げ続けた少年が、 誰かと声を重ねることで初めて“自分の歌”を見つける物語。 そして六年後―― 尾崎律の歌声は、この国の“事件”となる

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小説を読もう2026/02/27
  • 現在の作品奏でて、旋律