あらすじ
一流企業で輝かしい経歴を築いた昭夫。定年後、社会との繋がりを求めて選んだのは「コールセンターの派遣」だった。
しかし、そこで待っていたのは、ある女性スタッフからの根も葉もない牙。
「いやらしい目で見られた」——その一方的な非難に、派遣会社は耳を貸さず、昭夫は問答無用で自己都合退職を迫られる。
尊厳をズタズタにされ、心身を壊して入院した昭夫は誓った。
「もう、二度と仕事などしない」
隠居を決意した彼を支えるのは、妻・桂子の派遣収入。
だが、唯一の命綱である彼女もまた、持病による精神不安を抱えていた。
些細なことで仕事を辞めては、家計を窮地に追い込む桂子。
冤罪で全てを失った男と、壊れゆく妻。
二人の生活は、いつ崩れるともしれない崖っぷちを彷徨い続ける——。