あらすじ
五年前の雨の日、恋人の湊(みなと)は、約束の場所に現れないまま私の前から姿を消した。
理由も告げず、さよならさえ残さずに。
二十五歳になった紬(つむぎ)は、思い出の喫茶店が取り壊されることを知る。止まったままの時計を動かすように店を訪れた彼女が手渡されたのは、湊が残した一冊の古びたスケッチブックだった。
そこに記されていたのは、あまりにも残酷で、あまりにも優しい「空白の理由」。
絶望の淵で、彼は愛ゆえに紬を突き放し、独り暗闇の中へと消えていったのだ。
真実を知った紬は、彼が最後に目撃されたという海辺の丘へと駆け出す。折しも空からは、季節外れの「四月の雪」が舞い降りていた。
失われた五年の歳月、消えかけた光、そして再会の奇跡。
切ないすれ違いの果て、二人が見つけた「永遠の色彩」とは。
喪失と再生を瑞々しく描く、至高の純愛ラブストーリー。