あらすじ
日雇いバイトで食いつなぐ、極貧の無名女優・飯島ユキ。
孤独な日々の支えは、アイドルグループMUSEの天才作曲家・シンと、
“推し活友達”だけだった。
ある日、執拗ないじめから逃れるために、隠れたテレビ局の掃除用具入れ。
――そこに飛び込んできたのは、なんと最推しのシンだった。
ユキは、ファンから身を潜める彼と、運命的な遭遇を果たす。
暗闇の中、重なる体温とブラックベリーの香り。
互いの窮地を救い合った別れ際。
彼はユキに人生を変える助言と、一枚の『五円玉』を贈った。
その「ご縁」を糧に、ユキは脇役女優として泥の中から頭角を現していく。
数年後。彼女はドラマの「恋人役」として、シンと奇跡の再会を果たす。
撮影を通した真摯な対話、ロケ合宿で起こるコミカルなハプニング――。
「ユキさんといると一番楽しい」
無機質だった彼の瞳が、ユキの前でだけ優しく揺れる。
かつての「推し」は、いつしか「最愛の人」へと変わっていった。
友達やMUSEメンバーら「共犯者」たちの温かな助力も相まって、
二人の距離は必然のように縮まっていく。
一枚の硬貨がつないだ運命に導かれ、ユキとシンはその絆を深めていくが――。
二人の前に、芸能界の非情なシステムと、再燃する悪意が立ちはだかる。
強制的に引き裂かれ、連絡手段すら奪われる二人。
絶望の淵で、二人の強い想いと音楽は、
世界中を味方に変える“奇跡の逆転劇”を呼び起こせるのか?
――あの日、掃除用具入れで震えていた僕たちは、今、光の中で手を取り合う。