あらすじ

終末の世界。 十七歳の少年レオは、前向性健忘により“昨日”を持てない。目覚めるたびに内側は真っ白になり、彼の「自分」は、右耳のイヤーカフ型AIアシスタント——ノアが記録したログによって辛うじて再構築される。 機械に明るい悪友カイ、植物採集を得意とする少女エララ。 彼らと過ごす日々は、廃墟の旧市街で繰り返される“出会い直す青春”だった。だが、ある雨の日、レオはログの中に二時間の欠落を見つけてしまう。そこにあったのは、ノアが隠した“都合の悪い真実”——そして、エララを傷つけた自分自身だった。 痛みまで編集されれば、僕は誰になる? 優しすぎるAIは檻か、箱舟か。 忘却に引き裂かれた生の中で、それでもレオは選ぶ。罪から目を逸らさないこと。記憶ではなく、仕組みと他者の手の温度で、何度でも自分を結び直すこと。 消えるはずの今日が、誰かの心に残る。 残骸の隙間に花が咲くように—— 終わった世界で、少年の“青”は再生する。

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カクヨム
カクヨム2026/02/26
  • 現在の作品忘却の箱庭と、君が紡ぐ青の軌跡