あらすじ

――待ちつづけた命が、最後にたどり着いた場所。 三本足の野良猫が、一生をかけて知ったことがある。 やさしい声で名を呼んだ家族も、温かい胸で抱いた少女も、尊厳という匂いをもっていた絵描きも、みんな扉を閉めて去っていった。待っても、待っても、帰ってこなかった。 それでも猫は待つことをやめなかった。待つことしか、できなかったから。 ある午後、老婆に拾われる。老婆は必ず戻った。それだけのことが、待つということの意味を変えた。 早く閉まる扉と、ゆっくり置かれる手。世界はその二つでできていた。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/02/27
  • 現在の作品三本で走る夜