あらすじ
トマスは、ごく普通の高校生。
失恋の痛みを引きずりながら、どこにでもある日常をなんとかやり過ごしていた。
――少し大げさなくらいに、打ちのめされていたのかもしれない。
だが、そんな感傷に浸っている暇はすぐに消え去る。
ありえないはずの場所。
闇に潜む異形の存在。
そして、意味ありげに現れては消える“何者か”。
不可解な出来事に導かれるまま、トマスは調査へと足を踏み出す。
それはやがて、魔法と政治、そして幾重にも張り巡らされた陰謀が渦巻く“もう一つの世界”への転落を意味していた。
地球と、謎に包まれた異世界ブシュ=カーを行き来する中で、
彼を待ち受けていたのは、自らの常識を粉々に打ち砕く真実。
自分とは何者なのか。
この身体は、本当に“自分”のものなのか。
迫り来る捕食者の影から逃れながら、
それでもテスト勉強をしなければならない――。
平凡だったはずの少年の人生は、静かに、そして確実に崩れ始める。