あらすじ
聖女リリアナは、婚約者である第一王子から突然追放された。
理由は「お前がいると城がカビ臭くなるから」。
聖なる力を“水と共に広く散布する”という前代未聞の能力を持つ彼女は、
奇跡ではなく「湿度」だと嘲笑され、国を捨てることになる。
だが辿り着いた隣国は、深刻な乾燥地帯。
そこで彼女は、聖女ではなく――
**「加湿器」として国宝級の扱いを受けることに。
水があるだけで、作物が育ち、人が生き返る。
必要とされる場所は、ちゃんとあった。
一方、聖女を失った祖国では、不浄が再び動き出し、
死者が街を彷徨い始める。
泣きついてきた王子に、リリアナは静かに告げる。
「もう遅いです」