あらすじ
佐伯樹と木埜下梢は、腐れ縁を超えた腐れ縁だ。
互いに産まれて来る前から家が隣で親同士が仲良く、産まれてからもその関係は続き、兄弟姉妹同然に過ごして来た。
時間は進み、二人ともが社会人になって忙しくなろうとも、ゲームに漫画にアニメにと、共通のオタク趣味でも繋がり続けていた。
そんなある日、樹のもとに、梢から一件のメッセージが届く。
『ヤケ酒』
シンプルな文面はしかし、事態を察するには易いもので、樹はそれに『いつでも』と返す。
すぐに予定は決まり、その日の夜。
ヤケ酒会と称して樹の家にて開かれた飲み会の席で梢は、仕事とプライベートの悩みを打ち明ける。
……が。
何がどうなったのか、気が付けば二人の関係性は、『腐れ縁』から『恋人』というものにアップデートされてしまうのだった。
慣れない空気感に戸惑うが、そこでも二人は阿吽の呼吸。
やっぱねぇわと一言置いて、今夜もオタク談義に花が咲く。
それでも確かに続いてゆくのは、『恋人』という新たな二文字の関係性。
いつも通りのことをしていても、ふとした拍子に『恋』の文字がチラついてしまって、いつも通りではいられなくなってしまう。
これはそんな、恋を意識したことがない相手と紡ぐ、慣れない恋の物語。