あらすじ
突然、私こと古手川菫は、自分が異世界に転生したことに気付く。
しかも転生先は、嫌われている我が儘皇女――ヴィオラリア・メイデン。
絶望しているところに現れたのは義妹・ジャスミナム――なんと彼女は菫の実妹、古手川茉莉が転生している姿だった!
彼女の登場に安心したのも束の間。
この世界は茉莉の知っている物語で、ヴィオラリア・メイデンはいずれ主人公たちを虐げ殺そうとした罪で断罪。その後に魔王となって、主人公たちに殺されるラスボスになる運命だと教えられる。
菫はそんなことをするつもりはないとあっけらかん。
だが、茉莉の『「物語の強制力」があり、どれだけ抗っても筋書き通りに進んでしまう可能性がある』という話を聞いて不安になる。
とにかく、今は断罪ルートを回避するため、ヴィオラリアは周囲との関係改善に奔走。
だが、過去の悪評は根深く、善意はことごとく疑われ、空回りするばかりだった。
一方で、妹のジャスミナムはこの世界をどこか楽しんでいるようにも見える。
魔法が使える身体、守ってくれる存在、自由に生きられる日常――「元の世界に戻りたい」とは決して口にしない妹の態度に、ヴィオラリアは微かな違和感を覚え始める――
この物語の“ラスボス”は魔王ではなく、ヴィオラリア・メイデン自身であるという運命。
妹の望む世界を守るか。
自分が生き残る道を選ぶか。
あるいは、この世界そのものを書き換えるのか。
悪役皇女が選ぶ結末とは――
これは「誰かの理想」と「誰かの犠牲」の狭間で抗う、姉妹の物語。