あらすじ
「あんたの『重苦しい』魔力なんて、もう限界なのよ」
十年もの間、幼馴染のマイラに「魔力供給」を続けてきたヴァン。 彼女が「人類至高の天才魔導士」として持て囃される裏で、ヴァンは己の身を削り、彼女の回路を修復し、満たし続けてきた。
だが、王都への召喚が決まった彼女は、ヴァンを「底辺のゴミ」と罵り、街道に捨て去る。 ヴァンは傷つきながらも、その言葉を真に受けて、静かに表舞台から姿を消すことを決めた。
――だが、傲慢な少女は知らなかった。 彼女が天才でいられたのは、ヴァンという「世界唯一の供給源」がいたからだということを。
自由になったヴァンが、吸い寄せられるように辿り着いた王都。 そこでは、魔力枯渇により崩壊寸前の守護障壁(バリア)と、 拒絶反応で誰の魔力も受け付けず、死に瀕している聖女フェリスが横たわっていた。
「……あ、ああ……っ! 貴方の魔力が、私の魂を直していく……っ!」
ヴァンにしかできない「純度100%の修復供給」が始まった瞬間、 聖女は絶望から救われ、ヴァンを「運命の救世主」として、王宮が全力で囲い込む。
一方、ヴァンを失った幼馴染の末路は悲惨だった。 供給源を失った彼女の魔力は完全に「泥詰まり」を起こし、 自慢の上級魔法は盛大に暴発。天才のメッキは剥がれ、絶望の淵へと転落していく。
「ただの配管掃除のつもりだったんだが……」 「逃がさないわよ……。貴方の魔力がないと、私はもう生きていけないんだから」
これは、自分の価値に無自覚な青年ヴァンが、聖女を(物理的に)満たして、 国中の美女や権力者に溺愛されながら、国家最高の英雄へと成り上がる物語。