あらすじ
前世でやり込んだ鬱ゲー『終焉のエンブレム』——どのルートを選んでも誰かが泣く、救いのないマルチバッドエンドRPG。
目を覚ますとそこは、そのゲームの世界だった。しかも俺の役どころは、原作に台詞すらないモブ神官「リオン」。
だが、逆に考えればチャンスだ。主人公じゃないからこそ、自由に動ける。
「この世界では、全員笑顔で終わらせる」
決意した俺は、ヒロインたちの悲劇の原因——心の傷(トラウマ)を、原作知識で先回りして癒し始めた。幸い、俺の治癒魔法は「心の傷」まで癒せるチート仕様らしい。
聖女の闇を払い、姫騎士の復讐を止め、天才魔術師の孤独を癒し、没落令嬢の危機を救う。
よし、完璧だ。これでバッドエンドは回避——
「あなたに出会えて、人生が変わりました」 「お前の生き方に惚れた。俺も連れて行け」 「先生と呼ばせてください」
待ってくれ。なぜヒロインだけじゃなく、攻略対象の王子や騎士団長までついてくる? しかも気づいたら凶暴な聖獣(もふもふ)まで懐いてるし、王様には気に入られるし、王国一の人たらしと呼ばれ始めた。
俺はただ、目立たず静かに暮らしたかっただけなのに——。
これは、鬱ゲー世界を「全員幸せエンド」に塗り替える、モブ神官の癒し系サクセスストーリー。