あらすじ

2022年ー春 青森の空の下。 規律正しく、秒単位で進む鉄道の世界。 誰もが僕を「模範的な駅員」と呼ぶ。 だが、僕の心の鏡の奥には、もう一人の「俺」が棲んでいた。 「烏(からす)は僕か? それとも、俺か」 夕暮れ時、黒い羽を広げる群れに問いかける。 僕を見つめるあの子の瞳には、いったい誰が映っているんだろう。 「僕は殺してない」 朝起きて、血まみれになった自分のシャツを見た時。喉の奥から声が聞こえる。 「俺が殺して天に報いた。……なあ、最高だろ?」 内なる声と、冷たい鉄路。 危うい均衡で保たれていた僕の日常は、或る日、無残に崩れ去る。 ――あの子が、死んだ。 突きつけられたのは、彼女を殺した「容疑者」という宣告。 だが、確信がある。 ……あいつも、僕も、彼女だけは殺していない。

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カクヨム
カクヨム2026/02/02
  • 現在の作品烏と喚(よ)ぶ、彼に。