あらすじ

終電を過ぎた駅裏のラブホテル街。 高校生の「体験入店」と、変な風邪薬と、ワゴン車が揃ったとき、 そこに現れるのは「偏運師」。 揺れている未来の出目に、ほんの少しだけ指をかけて、 誰かの夜を“マシなほう”へずらす仕事だ。 死んだ青年が遺した「街の偏運バランサーAI」と、 生身の偏運師の帳尻が交差するとき、 この街の闇は、静かに“最適化”されはじめる――。 職業:偏運師。 世界のサイコロに文句を言う係の物語。 ___________________ ◼️偏運師(balance of account) 偏__かたよる。中正でない。 運__《名》めぐりあわせ。さだめ。はこぶ。うつす。 師__教え導く人。帳尻をつける者。 偏運師には、誰かの「次の選択」から先に分岐する、いくつもの線が見える。 胸元のサイコロペンダントを弾けば、「少しはマシなほう」の線だけ、確率をわずかに太らせられる。 そのぶん、世界のどこかで別の不運が太る。 運は移動するだけで、増えない。 白を通せば、どこかで黒が太る。 それでも世界では、「因果のツケ」だけは消えずに残る。 誰かが他人に押しつけて太らせ続けた黒は、勘定として、どこかに溜まり続ける。 偏運師は、ごくまれに、そのツケを元の持ち主に束ねて返すことができる。 俺は、それを「因果返し」と呼んでいる。 ____________________

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カクヨム2026/02/02
  • 現在の作品偏運師 (へんうんし)– balance of account –