あらすじ

――なあ、ほら! やっぱりあそこの人さ……。 ――ああ、似てるな……。 「またか……」 夜のバー。薄暗い照明に煙草の煙が溶けて、グラスの乾いた音がかすかに響いている。おれはぼそりと呟き、声のしたほうへ体ごと向けた。テーブル席に座る二人の男が、こちらを窺うように見ていた。おれの視線に気づいた瞬間、二人ともギョッとした顔で固まった。 もはや見慣れた反応だが、それでもどこか可笑しくて、おれは笑いを堪えた。口角をほんの少し上げる程度に留め、グラスを持ち上げて軽く会釈した。すると二人は、緊張が解けたように肩を落とし、ぎこちなく会釈を返してきた。 ――人違いっぽいな。 ――ああ、でもかなり似てたよな……。 「指名手配犯に……か」

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小説を読もう2026/02/02
  • 現在の作品おれが指名手配 :約5500文字