あらすじ
神々が消えた世界で、人類は生き延びていた。
だがそれは、救済ではなかった。
かつて神話と現実は分かたれておらず、
神々は信仰のもとに存在し、世界はその均衡によって保たれていた。
しかし、支配を巡る神々の戦争は、
空を裂き、大地を歪め、世界そのものを変えてしまう。
戦争の果てに神々は姿を消し、
世界は沈黙の時代へと移行した。
だが神性は滅びていない。
行き場を失った力は、
人と世界の奥底に残り続けていた。
すべてを失い、視る力を奪われた一人の存在。
彼は神でも英雄でもない。
それでも、その存在は神々と人の双方にとって異物だった。
神なき世界で、
なおも神の力が蠢くとき、
均衡は再び崩れ始める。
これは救いの物語ではない。
信仰、犠牲、そして意志が交錯する、
神々の時代の「後」を描く、
静かで、残酷な叙事詩である。