あらすじ
子供の頃、世界を救う勇者になりたかった。
来る日も来る日も剣を振り、魔物の血を啜り、『剣鬼』と呼ばれるまでになった男、オウマ。
しかし、神託が選んだ勇者は彼ではなかった。
選ばれたのは、魔力こそ絶大だが、剣も握れないほどひ弱で泣き虫な子供――ノアだった。
「貴公は勇者の器ではない。ゆえに、この未熟な勇者の『付き人』となりなさい」
夢破れた男と、勇者になった子供。
最悪の相性で始まった旅は、やがて過酷な四天王との死闘へとなだれ込む。
泥に塗れ、身体を張り、汚れ役を引き受けるオウマ。
そんな彼の背中を追い、涙を流しながらも成長していくノア。
だが、オウマは旅の途中で知ってしまう。
ノアが抱える呪いを。
――だから俺は決めたんだ。
お前を普通の人間に戻してやる。たとえ俺の存在すべてが、この世界から消え失せることになっても。
これは、歴史書には一行も記されない、ある剣士の最後の物語
全11話で5万5千文字前後の予定です