あらすじ
ある種の人間にとって、適切な時期にあきらめを決断することは難しい。
独り魔法の勉強に打ちこんだメルクリウスは、うっかり百歳になっていた。
初心を思い出し、冒険者になるため、冒険者ギルドの門を叩く。
年寄りの冷や水に向けられる数々の冷たい視線、嘲笑――。
誰もがこの「史上最高齢の新人」を敬遠し、彼はギルドの片隅で、所在なげに佇む羽目となる。
一方、同じく新米冒険者のルーナは絶望のどん底に叩き落されていた。
ひそかに想いを寄せた相手は前途有望なるイケメン冒険者。
しかし、あろうことか親友はスカウトされ、自分はスルー。
「こうなったら、絶対あいつを見返してやる!」と意気込むも、ほかのパーティーからも門前払い。
肩を落とすルーナの前に現れた、百歳の新人。
出会うべくして出会った二人は、組むべくしてパーティーを組んだ。
もっとも、自暴自棄の極みに達したルーナにとっては、ヤケクソで手を取った相手。
百歳の相棒にさしたる期待はしていなかった。
が、この百歳は、隕石を落としてはスライムを滅ぼし、竜巻を起こしてはドラゴンを墜落させる、とんでも百歳であった。
「意外といいパーティーかもしれない」
残り物コンビの前途に光が差す。
だがそんな二人を、ルーナにとって因縁深きパーティーとの合同クエストという運命のいたずらが待ち受けているのであった――。