あらすじ
現代日本で料理人として働いていた女性は、
気づけば中世風の異世界に転移していた。
剣も魔法も使えない。
特別な力もない。
あるのは、鍋ひとつと料理の知識だけ。
空腹と不調が当たり前の世界で、
彼女はただ「放っておけなかった」だけだった。
ケガ人に、胃に優しいスープを。
子どもに、柔らかい煮込みを。
腐らせていた食材に、保存の知恵を。
鍋から立ちのぼる匂いが、人を眠らせ、
子どもを笑わせ、やがて王国を支えていく。
それでも本人は言う。
「お腹が空いてる人に、温かいものを出すのが普通でしょ」
無自覚で、優しすぎる料理無双。
剣より包丁が役に立つ世界で、
今日も鍋から、奇跡が生まれる。