あらすじ
沢村真紀、41歳。派遣社員。
婚活歴は長く、理想だけははっきりしている。
年収、清潔感、誠実さ、将来設計。
どうせ結婚するなら、条件も相性も妥協したくない――そう思ってきた。
そんな彼女の前に現れたのが、篠沢直樹だった。
年収700万円以上、大手企業勤務、大学院卒。
高身長で爽やか、物腰は柔らかく、将来の話も家事分担も子どものことも、すべてが「模範解答」。
あまりにも完璧な婚活相手に、真紀は戸惑いながらも「選ばれた」と感じていく。
だが、その完璧さは“特別”ではなかった。
彼は同時に複数の女性と関係を持ち、同じ言葉、同じ態度、同じ優しさを配っていたのだ。
若くSNSに強い女性、職場の女、都合のいい関係の相手――
偶然の重なりから、真紀はその事実を知ってしまう。
これは、裏切られた瞬間に始まる物語。
恋愛ではなく、婚活という名の市場で「条件フルコンボの男」に翻弄された女が、
真実を知り、選び直し、そして自分の人生を取り戻していくまでの記録である。
完璧な男は、誰にとっても完璧だった。
――それに気づいたとき、女の選択が始まる。