あらすじ
大学を中退し、実家で肩身の狭い生活を送る22歳の青年――
隙間ニ十(すきま・にと)。
昼間は「アルバイトに行く」と嘘をつき、ただ自転車で街を彷徨うだけの日々。
将来の夢も、やりたいこともなく、ただ“何者でもない自分”から逃げ続けていた。
そんなある日、空を見上げながらふと口にした冗談――
「この世界、ぶっ壊れねぇかな。俺がヒーローになってさ」
その瞬間、雷が落ちた。
翌日、空に現れた正体不明の飛行物体。
街が、音もなく“消えていく”異常事態。
そして現れた謎の女は告げる。
「あなたは“選ばれました”」
「この世界を救う、唯一の存在です」
だが、与えられた力は万能ではなかった。
使うたびに削れていく感覚。
人間であることが、少しずつ壊れていく恐怖。
――そして知る真実。
この世界を救う存在は、
“正義の味方”ではなく、
世界の均衡を壊すための装置だということを。
「選ばれた」のではない。
ただ、“一番どうでもいい人間”だったから選ばれた。
逃げ続けてきた青年が、
それでも前に進むことを選ぶとき――
世界は、最悪の形で救われる。
これは、
英雄になれなかった男の物語。
そして、
それでも戦うことをやめなかった
不適合者(アンマッチ)の物語。