あらすじ
秋葉原の薄暗いライブハウスで夢を追いかける八人組地下アイドルグループ「Lunar Eclipse」。貧困と過酷なバイトに耐えながらステージに立つ少女たちの中で、センターの星野美月とそのすぐ下の藤原凛音は、互いに激しい嫉妬と憎悪を抱いていた。美月は計算された可愛らしさと冷徹な策略でトップの座を守り、凛音はそれに耐えきれず、裏垢での罵倒、漂白剤混入、衣装の切り裂きと、執拗ないじめを繰り返す。互いの毒が絡み合い、ついに美月は楽屋で首を吊る。
表向きは過労と誹謗中傷による自殺。しかし、その直後から凛音の首に異変が起き始める。小さな腫れは夜ごとに囁き、やがて笑い声を上げ、人の顔の形を取っていく……。
東大の五月祭で起きた小さな事件をきっかけに、霊が見える女子大生・マアちゃんと皮膚科医・曽根崎アンヌは、凛音の異様な症状に遭遇する。包帯に隠された「人面瘡」は、ただの腫瘍ではない。死者の復讐そのものだった。
嫉妬は人を殺し、殺した者をさらに蝕む。因果は逃れられない。華やかなアイドル業界の裏側に潜む人間の闇と、科学では説明できない怨念の恐怖が交錯する。あなたの首筋に冷たいものが這うかもしれない。