あらすじ
誕生日から逃げ出した金持ちの次男は、
ふとした思いつきで「自然の力はタダで無限に使える」と信じ込んでしまう。
落下、浮力、摩擦、風、波、地熱、太陽光、磁力――
世界に満ちるエネルギーを、
彼はすべて“誤解したまま”扱い始める。
その誤解は、周囲の大人たちを困惑させながらも、
なぜか次々と巨大な装置や施設を生み出し、
やがて誰も予想しなかった形で世界を変えていく。
本人だけが気づいていないまま、
優しい誤算が積み重なり、
世界は静かに、しかし確実に折れ始める。
これは、
「間違っているのに、なぜか前に進んでしまう」
そんな不思議な力を持った次男の、
一年間の記録である。