あらすじ

小学2年生のリリ(8)には、母にも友達にも秘密にしている「友達」がいる。それは一人で留守番をしている時にだけ現れ、壁をノックし、物を動かして一緒に遊んでくれる存在だ。リリはそれを「お家さん」と呼び、夜の孤独な時間を埋めてくれるかけがえのない親友として慕っていた。 ある日、リリは母から仕事の都合で引越すことを告げられる。学校で唯一の友達であるオカルト好きの少女・ツバキ、そしてお家さん。大切な両者へ真実を打ち明けられずにいたリリだったが、勇気を出してまずツバキに引越しを伝えた。その夜、お家さんにも事実を告げると家中に異変が起こる。テレビの音は歪み、コンロの火が勝手に燃え上がる。それは、別れを拒絶し、孤独を恐れるお家さんの感情の露呈だった。 暴走するお家さんに恐怖する母に対し、リリはお家さんが自分を守ってくれていた友達であることを必死に訴えるが、母の警戒は消えない。翌日、お家さんの真意を知りたいリリは、ツバキにお家さんの存在を打ち明け、助けを求める。ツバキが提案した「コックリさん」の手法を用いて対話を試みるが、その場では反応を得られないまま、リリの8歳の誕生日を迎える。 誕生日会の最中、再びお家さんの気配が現れる。母は危険を感じて二人を避難させようとするが、リリとツバキの説得に押され、共に対話を試みることに。必死に呼びかけるリリの声に応えるように、五十音表の上で硬貨が動き出す。そこには、不器用な言葉で綴られた謝罪と、リリへの想いがあった。姿は見えずとも、そこには確かな友情が存在していた。 母からプレゼントされたスマートフォンを手に、リリはツバキとお家さんに、遠く離れても繋がっていられること、そしていつか再会することを約束する。 引越し当日。空っぽになった部屋で、リリはお家さんと最後の会話を交わす。寂しさを乗り越え、リリは笑顔で「さよなら」を告げ、新しい生活へと踏み出していく。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/02/01
  • 現在の作品Good ・By・My Home