あらすじ

ルクソリア王国宮廷に仕える|心雫士《ラクリメール》、セラフィーヌ・ノエルは、鑑定する相手の涙を舌で味わうことで本心を読み取る異能を持つ。魔道具「月銀の盃」を使って秘かに涙を掬い取り、外交や裁判の場で欺瞞を暴くほか、王太子殿下に迫る令嬢たちの本心を推し量る。  今夜の晩餐会でも、伯爵令嬢の涙を通して透けて見えた本心は虚飾に彩られたものだった。王太子がどれほど純粋に愛を求めても、差し出されるのはそうした虚飾ばかり。蜜のように甘い涙は欲望の毒に塗れ、彼女が鑑定結果を告げるたびに殿下は孤独を深め、枯れたように笑う。幾度も裏切られ、やがて殿下自身の涙さえも枯れ果てる。  その哀しみに触れ続けたセラフィーヌは、守るはずの力が彼を傷つけていると悟り、胸の奥にひとつの決意を抱くのだった。

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カクヨム2026/02/01
  • 現在の作品心の雫はかく語りき