あらすじ
1914年、第一次欧州大戦の砲火が欧州を焼き尽くす中、ゲルマニア帝国の第二王子ハルメアス・フォン・アルデンハイムは、兄ジュリアノスから受け継いだ「印」の呪縛に囚われていた。幼少期からの歪んだ愛憎と性的支配が、彼の心を蝕み、戦場で発揮される超常の力は、敵兵を狂気に陥れる。だが、それは人類の絶望を餌に覚醒する「旧き者たち」の呼び声に過ぎなかった。
戦争の泥濘の中で、ハルメアスは兄の命令に従い、民間人を巻き込んだ無差別攻撃や民族浄化の現場を目撃する。ジュリアノスは「帝国の栄光のため」と称し、数万の命を奪う戦犯として君臨するが、その背後には宇宙的な闇が蠢く。ハルメアスは自由を求め力を得るが、それはより巨大な支配への逆説的な道。愛憎、犯罪、絶望の連鎖が、すべてを飲み込むコズミックホラーの渦へと導く。