あらすじ
高校二年生の春。
人付き合いが得意ではなく、自分の気持ちを言葉にすることが苦手な少年・桐谷陽斗は、放課後の中庭で一人の少女と出会う。
彼女の名は篠宮透花。明るく振る舞いながらも、本音を胸の奥に隠して生きている少女だった。
偶然同じ時間、同じ場所で空を見上げるようになった二人は、少しずつ会話を重ねていく。特別な出来事はない。ただ隣に座り、季節の移ろいを感じるだけの時間が、いつしかかけがえのないものへと変わっていった。
しかし想いが深まるほど、言えない気持ちや小さな誤解が二人の距離を揺らしていく。近づきたいのに踏み出せない不安。失うことへの恐れ。青春の中で生まれる淡く不器用な恋は、やがて大きな選択を迫られることになる。
これは、同じ空の下で出会った二人が、迷いながらも「一緒にいる未来」を選び続けていく物語。
あの日見上げた空は、今も変わらず、二人の上に広がっている。