あらすじ

森の奥、木々の隙間から差し込む薄い光が、埃のように舞う部屋の中。 ベッドの中で、狼は息を潜めていた。 毛布の下に隠した牙を、そっと舌で確かめる。 今か今かと、待ち焦がれる獲物――あの赤いずきんを被った少女が、扉の向こうに近づいてくる気配を、耳で、鼻で、肌で感じ取っていた。 そして古い木の扉が、ため息のように軋んだ。 入ってきた少女。 赤い布が揺れ、部屋に淡い花のような香りが広がる。 彼女はベッドに近づき、いつものように、純粋な瞳でこちらを覗き込んだ。 「あれ? おばあちゃん、どうしてそんなにお耳が大きいの?」 想定内の質問だ。 狼は喉の奥から、穏やかな声を絞り出す。 「それは、お前の声をよく聞くためだよ」 想定内の回答。 少女を騙し、仕留める。 ベッドの中の狼は不敵に笑う。

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小説を読もう2026/02/01
  • 現在の作品赤ずきんちゃんと狼さん