あらすじ
男に生まれ35歳で死に、女に転生した浅海井紫(あざむいゆかり)。
女に生まれ27歳で死に、男に転生した兵藤恵介(ひょうどうけいすけ)。
似ているようでどこか違う境遇の二人は、日本の同じ時代に奇しくも転生し、県立高校にて、あまりめでたくない出会いをする。
高身長イケメンの兵藤恵介は、幼馴染の飯田真帆が中学後半から「女」をアピールしてくるようになったことに悩みを抱えていた。恵介自身は「今更付き合うつもりはない」という立場。
恵介は真帆と離れるため偏差値の高い高校に進学したのだが、真帆もその学校に合格、クラスも一緒となってしまって、げんなりしていた。なお真帆は上機嫌。
その恵介、クラスにまったく溶け込む気配がない孤高の女子・浅海井紫に目を奪われていた。
視線に気づいた紫は、若本◯夫みたいな口調で「お前ェさんとやけに目が合うんだけどよォ、こっちばっか見てんじゃねェか?」と問う――真帆もいる場で。
恵介はしどろもどろ。真帆は吃驚仰天。紫は「飯田さんがお似合いだよ、お前ェにゃあよ」言い残してズカズカと去っていく。
それが縁で、何故か真帆と仲良くなる紫。奇しくも二人は席が前後ろで、話しやすい環境だった。
「紫ってなんかカッコイイよね」「どこが?」
更に真帆の紹介で、紫は恵介たちのカースト上位グループと時々話すようになった。
恵介ともLYNEアカウントを交換することになり――
ある夜、恵介から個別のトークを持ちかけられる。
話題は案の定、真帆のこと。
話が進み、やや沈黙があった後、恵介はこんな一文を送ってきた。
「俺、実は転生してて。元女なんだ」
続けてこうも送ってくる。
「だから、女の子の気持はよく分かってるつもり。それでも俺は、真帆とは付き合えない」
紫はスッパリこう返した。
「ああそうかい。じゃあお前ェがいかねーなら、私が真帆をもらうぞ。なんせ私も転生していて、元男だからな。可愛い女の子と付き合いたい」
「!!?!?!?」
紫は真帆にほのかな好意があった。実際いい女だから。
それで、恵介にハッパかけることも兼ねて、そのように告げたのだった。
ところがそれにより、紫は紫で悩みを抱えることになる。
女同士というのは、よっぽどじゃないとうまくいかない。このまま本気で好きになっていいものかどうか……。
――そんなやりとりがあった翌日、学校の屋上で、紫と恵介が真帆のことで語り合い、そこからまた物語が進んでいく。
このワンシーンを描いた短編となります。
よろしくお願い致します。