あらすじ
「ボクに文明を再興させてほしいって、どういうことですか?」
「そのまんまの意味だよ。地球と違って魔法が発達した文明だったんだけど、人類は核兵器みたいな威力を持つ超兵器を開発して、人間同士の戦争でそれをド派手に使っちゃって、地上の九割くらいを吹っ飛ばしたの。人間が住んでいるところを重点的に破壊したから、人口の九十九パーセント以上が死滅しちゃった上に、その超兵器の影響で地上から魔力がほぼ消失して、魔法が使えなくなっちゃった。魔法ありきで発展した文明から魔法を取ったら、生き残った人間も生活が超大変で、どんどん文明が衰退してさ」
「……なんだかものすごく重い状況ですね」
「そうなんだよねぇ。流石に女神として何かすべきかなぁとも思ったんだけど、神的存在が地上に干渉するのは極力避けるってのが今の神々の方針で、私も人類再興を千年間待ってみたわけよ。それだけあれば改めて科学文明でも発達するかなぁ、なんて。でも、ダメだった」
「……そんなに経っても?」
「うん。ダメだった。色々理由はあるんだけど、その一つが、「文明の発達は人類の破滅を招くから、人類は原始的な生活を送らなければならない」とか主張する連中ね。世界各地にこういう思想が広がっちゃって、もはや文字すら読めない人たちも多くなっちゃった。そのくせ、文明の発達を否定する連中は、魔法関連の遺物を利用して人を支配したり、独占してる知識で私腹を肥やしたりしてるんだけどね」
「……嫌な話ですね」