あらすじ
お前に興味はない。死んだように静かにしていろ」
父の反逆罪、没収された家産、そして幼い弟の未来――。
すべてを背負い、エルセが嫁いだ相手は「冷酷な処刑執行人」と恐れられる第一王子、カイルだった。
愛のない言葉、氷のような視線。エルセは家族を救うための「餌」として、屋敷の隅で心を殺して生きることを決意する。
しかし、ある「夜」を境に、二人の距離は静かに狂い始める。
彼は、愛し方を知らなかった。
彼女を突き放すような言葉は、過酷な宮廷闘争の中で、彼女を「反逆者の娘」として標的にさせないための、彼なりの不器用すぎる守り方だったのだ。
冷え切った礼拝堂で始まった偽りの契約が、一滴の涙と温もりによって溶け始めていく。
これは、孤独な二人が「本当の夫婦」になるまでの、切なくも甘い救済の物語。