あらすじ

「記録は、沈黙したままそこに在り続ける。」 ​デザイン会社『シルバ・デザイン』の最上階。厳重な警備を潜り抜け、新作ジュエリー『月光』が消失した。監視カメラに映る「空白の時間」。現場に残されたのは、透明なアクリルケースが内側から銀色に塗り潰され、周囲を拒絶するように変貌した**「不気味な鏡の立方体」**だった。 警視庁非公式嘱託・記録編纂係のハルカは、一度見たものを決して忘れない「完全記憶」の持ち主。だが、その能力の代償として、記録が増えるたびに彼女の肉体は無機質な「銀」へと変質していく。彼女の正体は、あらゆる事象をデジタルと化学の視点で整理する**「秘匿アーカイブ:04号室」**の管理官だった。 ハルカは5年前からの因縁がある佐藤刑事と共に現場にいた。そこには、昨日までは存在しなかった「銀色の鏡」が残されていた。亡き若手社員が遺した「嘘を暴くレシピ」と、それを受け継いだ者の悲しき復讐。ハルカが真実を「アーカイブ(記憶)」したとき、彼女の指先はまた一つ、人肌の温もりを失っていく。 ​ベテランの佐藤刑事と共に調査を開始したハルカは、一年前に過労死した天才デザイナーの遺志が、歪んだ形で「鏡」の中に閉じ込められていることに気づく。 ​犯人は、人望厚き「善人」の上司か。それとも、欲望にまみれた「悪徳」の部長か。 光が真実を暴く時、犯人の手には**「洗っても落ちない黒い呪い」**が浮かび上がる。 ​理系トリックと叙述ミステリー、そして「記録」に侵食されていく少女の不気味な変容を描く、短編『404号室』。

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エブリスタ
エブリスタ2026/01/31
  • 現在の作品「秘匿アーカイブ:04号室の記録」 事件番号:072 『銀鏡の中の弔鐘(ちょうしょう)』