あらすじ
葬儀屋・柩木シュウ、三十五歳。表の顔は葬儀士、裏の顔は「死者の復讐」を代行する闇の執行者。十五年前、妹・ユリを殺されながら犯人が無罪となった事件が、彼をその道へと導いた。「死者の遺志は絶対」——それが彼の信念だった。死者の依頼を受け、詐欺師やDV夫、殺人犯を次々と裁いてきたシュウは、これまで四十七件の復讐を果たしてきた。
そんなある日、末期癌の女性・水野アヤから「虐待する元夫を殺してほしい」という依頼を受ける。だが調査を進めるうち、元夫は娘を愛し、虐待などしていないことを知る。さらにアヤのカルテから、彼女が妄想性障害を患っていた事実が判明する。「死者は嘘をつかない」という信念が崩れたシュウは過去の依頼を再調査し、七件もの「誤った復讐」を行っていたことを知る。妄想や誤解に基づく依頼で、彼は無実の人々を破滅させていたのだ。衝撃と罪悪感の中、彼は妹・ユリの事件をも再び調べ始める。
追跡の果てに、ユリを殺したのはユリが名指しした男・滝沢ケンジではなく、彼の双子の弟・タクヤであったと知る。十五年越しに真実と対面したシュウは、復讐の刃を振るわず、弟の自白を録音し、法に委ねる道を選ぶ。
その後、シュウ自身も自首し、自らの罪を認めて拘束される。無期懲役を言い渡された彼のもとに、かつて誤って復讐した被害者の一人から手紙が届く。「生きて償い続けろ。それがあなたの罰です」。青空の下、鉄格子の中でシュウは静かに涙を流す。