あらすじ
現代日本で生きていた青年・ユウマは、ある夜突然、空から異世界へと転移する。
剣と魔法の世界〈アルセリア〉で彼が出会ったのは、地方の小さな村に暮らす治癒魔法士見習いの少女・リリアだった。
不慣れな世界に戸惑うユウマを、リリアは静かに、そして優しく受け入れる。
共に過ごすささやかな日常の中で、二人は自然と惹かれ合っていく。
しかし、この世界では「星渡り」と呼ばれる異世界からの来訪者は、災いを招く存在として恐れられていた。
さらに、リリア自身もまた、治癒魔法の代償として長く生きられない運命を背負っていた。
「恋をしてはいけない」
「深く関わってはいけない」
そうわかっていながらも、ユウマは彼女を想う気持ちを止められない。
そしてその感情こそが、星渡りである彼の力――想いが世界と共鳴する力を呼び覚ます。
やがて、ユウマには元の世界へ帰るための「帰還の門」が王都に現れることが告げられる。
門が開く期限は七日。
感情がこの世界と完全に結びつく前でなければ、二度と帰れない。
帰れば、リリアを失う。
残れば、彼女と共に限られた時間を生きることになる。
選べない答えを前に、それでもユウマは――
「後悔しない方」を選ぶ。
奇跡は起きない。
運命は変わらない。
それでも、星を越えなくても、世界が違っても、
誰かと生きると決めた時間は、確かに“生きた証”になる。