あらすじ

私が転生してしまったのは、ユリウス歴1150年。
赤髭王フリードリヒ1世が在位する、12世紀中世ドイツに酷似した異世界だった。
この世界の中欧は、神聖ローマ帝国の皇帝権とローマ教皇の宗教的権威が激しくぶつかり合う、戦乱のただなかにある。
 
ボヘミア王国(※現在のチェコあたり)の辺境で、小領主に仕える下級騎士の娘として静かに生きていた16歳の私だったが――
父は皇帝派と教皇派の争いに巻き込まれ、帰らぬ人となった。
 
こうして私は、領地も保護者も失った「居場所のない没落令嬢」へと転落する。
行き場をなくした私は、帝国の北東の果て、
森と丘陵が連なる寒冷地帯――シレジア地方へ向かい、ボヘミア系とドイツ系移民が入り混じる貧しい開拓村で、新しい生活をはじめることになった。
 
ところが、村へ到着したその日。
道ばたに置かれた木箱の中で震えていた、四匹の子犬と出会う。

「……かわいいけど、どうしよう。
私だって、明日をどう生きるかも分からないのに……」

没落令嬢の私には、金も身分もない。
けれど放ってはおけず、子犬たちを抱き上げた。

飢えた体を温め、必死に育てているうちに――

ある朝、彼らは犬耳の生えた少年たちに変わっていた。
どうやら彼らは、この異世界に古くから伝わる
“森の精霊犬”の子どもだったらしい。

無邪気で、人懐っこくて、やたらと私に甘えてくる。
それなのに――。

反抗期がまったく来ない。

命がけで守った“子犬たち”は、すくすく育ち、戦闘能力が高い、耳もふわふわなイケメンに成長した。
そして、ますます慕い方が激しくなるばかり。

……いや、育ての親としてはうれしいけど、そろそろ距離感というものを覚えてください。

(※年代、国、地名、物などは史実どうりですが、登場人物は実在してません。
魔法やモンスターなど、史実にはないものもあります)

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アルファポリス
アルファポリス2026/01/31
  • 現在の作品没落令嬢の子育て記。12世紀ドイツに似た異世界で、拾った子犬がイケメン精霊犬になりまして