あらすじ
この婚約を大切に思っていたのは、ロジーナだけった。
公爵令嬢のロジーナは第三王子クラウスと婚約した。膨大な魔力量を誇り、盗人を一人で皆殺しにしてしまうクラウスに生徒も先生も畏怖し遠巻きにしていた。クラウスも自分を恐れる人間には近寄らず、結界を張って一人でいることが多い。
けれど、ロジーナはその結界に堂々と出入りすることに成功。少しずつ仲良くなり、学園時代のほとんどをかけて婚約者として絆を深めたつもりだったが──。
「ロジーナ嬢の相手はやはりランプレヒトが相応しかろう。もともとその予定だったのだからな」
「くだらない。興味ないな。どうせ俺は兄上の代わりに選ばれただけだ。兄上の病が治ったのなら、俺は用無しだろう。好きにすればいい」