あらすじ
この世界には、人間と〈グルガル族〉という二つの種族が存在する。
魔法を使えない代わりに、桁外れの身体能力を持つグルガル族。
魔法という一点のみで彼らを支配し、差別してきた人間。
ジン・カドラーは、そんなグルガル族でありながら、小さくひ弱な身体を持つ少年だった。
理不尽な差別を受けながらも、家族や仲間と支え合い、静かに生きる日々。
心優しいジンは、人間を憎みきれず、「共に生きる道」を信じようとしていた。
——だが、その日常はある出来事をきっかけに、無残に踏み潰される。
正しさとは何か。
救いとは、誰のためのものなのか。
これは、力を得て世界を変える物語ではない。
世界の重さを知り、それでも誰かを守ろうとした者たちの物語である。