あらすじ
「ミシャ、セレナ、ペルティア。美味いもん食わせてやれなくて……ごめんな」
転生時に神から与えられた最強のステータスを持ちながら、勇者アーノルドは魔王に敗北した。
守りたかった仲間の命も、人類の命運も、すべてを失って──。
彼の死の淵で放たれた仲間の魔法により、彼が目を覚ましたのは1000年後の世界。
そこは、魔王によって「あらゆる文明の発展」を禁じられた、世界だった。
かつての仲間の弟だという少年リドゥ、そして、前世で自分を轢いた料理人の少女ヒナ。
奇妙な縁で結ばれた仲間と共に、アーノルドは誓う。
「俺の贖罪は、この世界に食文化を美味しいという感想を取り戻すことだ」
石をすり合わせて小麦を挽き、土の中でパンを焼く。ただそれだけの行為が、食文化の発展として、魔王軍が侵攻してくる「反逆」となる。
「背中は任せてくれ。俺にできるのは、これしかないから」
これは、一度すべてを失った勇者が、剣と仲間たちの力で「食を囲む幸せ」を奪還する物語。
文明の発展は魔王に禁じられた。ならば食文化の開花は、反撃の狼煙だ。