あらすじ
静岡市葵区の常葉東高校に通う高2・高橋詩音は、
クラスメイトの可愛い友達たち(あかり、みゆ、りんか、ゆあ)と過ごす放課後が大好き。
ファミレスでくだらない話で爆笑したり、文化祭の準備で夜遅くまで残ったり、
そんなキラキラした日常の中に、いつも少しだけ「自分だけ取り残されてる」みたいなモヤモヤを抱えていた。そんなある日、りんかの部屋でみんなで最新フルダイブVRシューティング『GUNFRONTIER』を始めることに。
「一緒にやったら絶対楽しいよ!」
あかりの笑顔に押されて、詩音は初めてヘッドセットをかぶった。
銃の重さ、風の匂い、廃墟の空気――リアルすぎて心臓がドキドキするけど、
友達と一緒なら、怖くなんてないはずだった。なのに、ログインした瞬間、パーティが突然切断。
詩音だけが、灰色の空の下の荒廃した都市に一人で放り出されてしまう。
ログアウトボタンは消え、システムの無機質な声が響く。
「このサーバーから脱出するには、最終ボスを倒せ。
ゲーム内で死ねば、現実の脳波接続は永久に維持され、二度と目覚めない。」震える手でハンドガンを握り、初めての銃声を聞いた瞬間、
詩音は膝から崩れ落ちた。
敵の影が迫ってくる中、涙が止まらない。そのとき――「マジで? そんな撃ち方してたら即死じゃん」クールで少し低めの声が、背後から響いた。
黒髪の長いアバターが、正確無比な射撃で敵を一掃しながら、詩音の横に滑り込む。
SMGを構えたまま、軽くため息をついて。「ほら、立てよ。
ここ、超ヤバいからさ。
私、澪。東京から来てるんだけど……まあ、そんなの関係ないよね?
とりあえず、一緒に生き延びよ?」詩音は呆然と見上げた。
ゲームなのに、澪の声は本物の東京の風みたいにサラッとしてて、
でも目が本気で、掴まれた腕は意外と温かかった。「え……ありがとう……」「礼とかいいよ。
ヤバいときは助け合うでしょ?
それに……君、なんか放っておけない感じじゃん」澪が小さく笑う。
クールなのに、どこか優しい。
詩音の胸に、初めての「この人に頼りたい」って気持ちが芽生えた。廃墟の路地を並んで走りながら、
弾切れの合間に交わす短い会話。
「しおんちゃん、リアルでもこんなにビビりなの?」
「澪ちゃんは……いつもこんなに冷静なの?」
「冷静ってか……負けたくないだけじゃん。
君も、もっと本気出せばいいよ」撃つたびに、澪の「いい感じじゃん」「次はもっと上手くやろ?」という声が、
詩音の心を少しずつ温かくしていく。
怖いはずの銃声が、澪と一緒にいると「生きてる」って実感に変わる。現実では、詩音たちの失踪がニュースになり、学校は大混乱。
友達たちは別サーバーに散らばり、それぞれが必死に戦っているらしい。
SNSに残された最後のグループチャット「あかりたち、絶対会おうね」が、詩音の胸を締めつける。でも澪と並んで戦う中で、詩音は初めて気づく。
――このデスゲームが、自分に「本気の青春」を教えてくれた。
友達を守りたい。
澪に「現実で会いたい」って、ちゃんと伝えたい。
ログアウトできないなら、この世界で全力で生きてみせる。銃を構えながら、詩音は思う。
君と一緒に、もっと笑って、もっと泣いて、もっと撃ち合って、
この世界の果てまで走り抜けたい。可愛いJKたちの日常は、銃声に塗り替えられた。
でも、そこにあったのは、息を呑むような輝きだった。