あらすじ
あらすじ
侯爵令嬢シャルロッテは、帝国の夜会で突然、第四王子から婚約破棄を言い渡された。だが彼女は泣かず、怒らず、ただ完璧な淑女としてそれを粛々と受け入れる。――なぜなら「甘味を口にしてはならない」という家訓のもと、感情も欲望も律する教育を受けて育ってきたからだ。
両親の決断により、シャルロッテは隣国・共和国へと旅立つ。与えられたのは銀貨と簡素な衣服、そして一冊の《手引書》とお供。
旅の中で知る、質素な食事、狭い宿、曖昧な常識。そのすべてが、彼女の“当たり前”を少しずつ揺らしていく。
そして――共和国の片隅で出会った、白く柔らかなパンと、苺の香り。それは、彼女の人生で初めて「美味しい」と思った本当の甘味だった。
これは、家訓に縛られて生きてきた令嬢が、食と労働と小さな選択を通して、少しずつ人生を取り戻していく物語。さあ、準備は整いました。あとは突き進むだけですわ。