あらすじ
昼とも夜ともつかない、どこまでも続く静寂。
そこには、光を模したような少女と、 闇を模したような少女がいるのみだった。
光の少女は、足元に咲く花に視線を落とす。 触れることも、抱くこともあるその花は、 彼女自身を映すかのように、静かに揺れていた。
闇の少女は、夜空を見上げる。
そこに浮かぶ星へと、手を伸ばす。 とどかない、とどきもしないことを理解しながら。 その輝きを掴もうともがくように。
理由も、目的も語られない。 それでも二人は、 同じ静寂の中に立ち、 同じ時を共有している。
『光の少女』
金色の髪を持つ少女は、後ろへと長く髪を垂らし
淡く金白色に輝く瞳で、静かに宙を見つめていた。
その瞳には、喜びも悲しみも映っておらず、ただ、感情という色を失ったかのような、そんな静けさがある。
白いレースのヘッドドレスがその頭を飾る。
身に纏いし乳白色のマーメイドドレス。
コーラル色のチュールが幾重にも重なり、豪奢なレース飾りの袖が、その存在をひときわ幻想的に見せる。
その身体は地に足をつけることもなく、常に、柔らかに宙に浮かぶ。
……彼女は花を、あるいは_____
余光を、指先でそっと触れながら
何を思うでもなく、静かにそこに在った。
「闇の少女」
黒い髪を持つ少女は、長い髪を後ろでひとつに編み、背に流していた。
瞳は、静かに、重く閉じられている。
身に纏うは、闇に溶けてしまいそうな黒のドレスと、青白いレースのショール。
その表情は、変わらない。
……まるで感情というものを忘れ去ってしまったかのように。