あらすじ
光魔術師エレナは生まれつき魔力を持たず、デルフィア王国で蔑まれ、価値を否定されながら生きてきた。一方、王国魔術師団長ルシアス・ブラッドフォードは、強大な魔力を持つ天才魔術師。しかしその緋色の瞳──〈緋眼〉は、彼の命を蝕む呪いでもあった。
「ルシアス様、私を信じてくださいますか」
運命的な再会により、エレナの光がルシアスの病を抑えることが明らかになる。だが、それは一時的な延命に過ぎず、ルシアスが壊れていく時間を引き伸ばすだけだった。
救えないと知りつつも、エレナは彼に必要とされることでしか自身の存在を肯定できず、危険な治療を続ける。ルシアスは、光にすがりながら呪いに蝕まれていく現実に苦悩し、愛するエレナを守ることでしか自身の尊厳を保てなくなる。互いに想いながらも、二人は依存と葛藤に囚われていく。
古代遺跡の調査任務に赴く中、二人の絆は試練を迎える。ルシアスは命を賭けた禁呪を発動する選択を迫られ、エレナもまた愛ゆえに取り返しのつかない代償を背負う覚悟を決める。選択の果てに、二人は何を守り、何を失ってしまうのか。
光と信頼、命と誇り──差別と偏見の中で「価値」を奪われてきた少女と、英雄として生きることを強いられた魔術師。二人が選び取る答えは、救済か、それとも破滅か。