あらすじ
「君を愛することはない。これはただの契約だ」
結婚初夜、魔導卿イグニスに告げられた言葉。エルセラはその言葉を忠実に守り、三年間、完璧な「契約妻」として彼を支えてきた。
しかし、イグニスが美しい愛人を伴って夜会に現れた時、エルセラの心は静かに凪いだ。
(ああ、契約期間は終わったのですね)
翌朝、彼女が差し出したのは一枚の離縁状。
怒ることも、泣くこともなく、ただ微笑んで「お幸せに」と告げるエルセラ。
ところが、冷徹だったはずの夫の顔が、見たこともない絶望に歪む。
「……どこへ行く。君がいない世界など、私は許さない」
静かに去ろうとするエルセラの背後で、屋敷全体を覆う「最強の結界」が発動した。
これは、愛を捨てたはずの男が、取り返しのつかない喪失を前に狂い、全てを投げ打って妻を繋ぎ止めようとする物語。
※冷却系ざまぁ・ハッピーエンド保証。