あらすじ
感情の色が見える少女、柊深雪。
それは誰にも知られていない、彼女だけの小さな秘密だった。
高校一年生の初夏、委員会をきっかけに出会った月斗。
月のように穏やかで、誰にでも優しい彼に、深雪は静かに恋をする。
けれど彼の感情の色は、親友・杏に向けられていた。
気づいていながら、気づかないふりをした。
親友を想う気持ちも、恋を手放したくない弱さも、どちらも本物だったから。
そして冬。
深雪は知っていて、告白する。
失恋すると分かっていて、それでも自分の恋に区切りをつけるために。
雪は積もらず、溶けていく。
それでも、その恋は確かに降ったのだった。
――雪、月、花。
三つの想いが交差する、静かな初恋の物語。